五分後?と私は思ったが、でも、行くと決めたからにはそんなに時間はない。
急いで顔を洗って、とりあえず人に見られてもいいような格好に着替える。行く道は真っ暗だけど、帰る道は太陽が燦燦と降り注ぐ気持ちのいい朝のはずだから。
朔太郎はリュックの中に二人分のミネラルウォーターを入れ、テーブルに残っているまだ開いていないおつまみ系のお菓子もドサッと入れ込んだ。
「よし、行くぞ」
私はゆっくりと立ち上がった。
まだ、全然、お酒が抜けていない。
お酒に強い朔太郎は元気に動き回っているけれど、元々低血圧でお酒にも弱い私は、ガンガン疼く頭をどうしようか悩んでいた。
そして、最悪な事に、車の外へ出ると想像以上に寒かった。
その寒暖差に頭の鈍痛がさらに酷くなる。
朔太郎はキャンピングカーをロックして小さな懐中電灯で私を照らし出すと、一気に心配そうな顔になった。
「具合が悪い?」
でも、私はこんなに張り切っている朔太郎を傷つけたくない。
今日、もしかしたら朝日を拝む事ができるのに、具合が悪いから行けないなんて絶対に言いたくなかった。



