溺愛フレグランス



満月に見守られながら朔太郎の腕の中にいる私は、今まで感じた事のない高鳴りが体の奥から突き上げてくる。
由良ちゃんのいう幸せを今感じているのかもしれない。
この地球上に、全てで私を受け入れてくれる男性は、後にも先にも、きっと、朔太郎一人だけ。
ほんのり黄色く輝く満月は、私の導いた答えに満足そうに笑っている。


ゲ、ゲ、ゲロゲロゲロ……
ゲロゲロゲロゲロ……

夢の中で、カエルが鳴いている。
私は重たい頭を横に向けた。
夢から醒めてきているはずなのに、ゲロゲロうるさいこの鳴き声は何?
ゲロゲロ、ゲロゲロ…
夢の中だろうが、現実だろうが、もうそんな事は関係ない。
私は睡魔には勝てなかった。カエルの鳴き声さえも子守唄に聞こえる。

そんな中、私の隣でもぞもぞ動く誰かがいる。
酔っぱらったまま寝たせいで、今、どこにいるのかも思い出せない。

「晴美… 起きろ…
朝日を拝みに行くんだろ…?
俺も起きるからさ…」

私は薄っすら目覚めた少しの間に、隣にいるのは朔太郎で朝日を見るためにキャンプに来ている事を思い出した。
重たい頭を必死に持ち上げ、ベッドに座り込む。