溺愛フレグランス



「晴美、これ、覚えてるだろ?
俺が子供の時から愛用してる目覚まし時計」

私はうんうんと頷いた。
多分、見覚えがある。しらふの時なら絶対に見覚えがあるはず。

「どんなピンチもこの目覚まし時計が救ってくれた。
このカエルの鳴き声には不思議とちゃんと起きれる。
他は全然ダメだけど」

朔太郎はこの目覚まし時計をよっぽど信用している。
だって、白ワインまで開け始めたから。
私は、冷蔵庫の中からコンビニで買ったデザートを持ってくる。
最近のコンビニのデザートはかなりレベルが高い。

「これで最後にしよう。
飲み過ぎてぐでんぐでんにならないように、白ワイン飲んで、デザート食べて、コーヒー飲んで、それで終わり」

そこまで行きつくにはまだまだ先の話だけれど。

私達は昔話に花が咲いてお腹を抱えて笑っている。
何がそんなに可笑しいのか、それが分からないのが可笑しかった。
朔太郎はいつの間にか私の膝の上に寝そべって、子供みたいな顔でくつろいでいる。
そんな寝そべるほど大きなソファじゃないのに、気持ちよさそうに私の膝でくつろぐ朔太郎は、完全にリラックスムードだ。

「朔太郎だけズルいよ。
私だって寝転びたいのに」

すると、朔太郎はむくっと起き上がり私に軽くキスをした。そして、私を軽々と抱き上げる。

「じゃ、ベッドに行く?」