溺愛フレグランス



「俺は、別に、晴美が結婚しようがどうでもいいよ。
結婚した幸せな晴美も見てみたいと思うしね。
でも、きっと、俺以上に晴美にピッタリの男はいないと思うけど~~」

智也は呆れた風に笑った。

「結婚に失敗した男が何言ってんだか」

私もそんな朔太郎の隣で、智也の言葉に大きく頷いた。
朔太郎が離婚してくれたおかげで、私達はまた昔のような関係性を築けている。
朔太郎の結婚が続いていたなら?
私は苦笑いをして首を小さく横に振った。
幼なじみの関係性に男女の色恋は深く影を落とす。無邪気な子どものままなんて、そんな清らかな関係はもうどこかに行ってしまった。

「朔太郎が結婚したころ、ちょうどお父さんが倒れちゃって、だから、私、朔太郎の結婚の経緯を何も知らない。
っていうより、結婚おめでとうの言葉もかけてない。
朔、ごめんね…
今さら、遅いけど…」
「うん、今さら遅いし、それに、俺の結婚は幻だったから」

朔太郎の言葉に智也は吹き出した。

「何言ってんだよ、あんだけ美憂ちゃんに骨抜きだったくせに」

美憂ちゃん?
朔太郎の元奥様の事?

「すごい綺麗な人だって、噂で聞いた。
智也は見た事あるの?」
「あるも何も、このお店に何度か来てくれてさ。
にやけ顔の朔太郎と一緒に」