溺愛フレグランス



「バカ、そんな事はしません!
ちょっと横になるだけ。
その後は海に行きたいから」

朔太郎はまた笑う。
そして、お弁当をまだ食べ終わらない私に軽くキスをする。

「この場所って誰からも干渉されない最高な場所なんだ。
俺達の正面には海へ続く松林が広がっていて、反対方向には車は一台も止まっていない。
大体の人は道の駅のお店やトイレや便利なところに停めたがるけど、俺達の居る場所はそういうところから一番遠い場所だし」

朔太郎はいつの間にか私の隣にピタッとくっついている。

「だから?」

私はあえてそう聞いてみた。
朔太郎の口から出る答えは120%分かっているけれど。

「いちゃいちゃしても全く問題ないって事。
キスはともかく、ベッドで何かをしても誰も気付かないよ」

そんな事を言いながら、朔太郎は二回目のキスをする。
今日は二人の初めてのデート。
初めてという理由は、幼なじみとのデートじゃないって事。
私達はもう完全な恋人同志で、あり得ないくらいにお互いを愛している。
以前の私なら、軽くあしらっていたこのキスも、今の私は夢中で受け入れてしまう。

高い空の下、潮の香に包まれて、今、ここは二人だけの世界。
今日だけで、私達は何回キスをしてしまうのだろう…