朔太郎は楽しそうに笑う。そして、背伸びをして空を見上げた。
私はそんなリラックスした朔太郎を見ながら、お弁当を堪能する。
私はお弁当を味わいながら食べたい人間だ。
一つ一つ噛みしめてこのお弁当を作った人達を思い浮かべたりしながら。
「いいんだよ。晴美はゆっくりお弁当を食べて。
俺は、その間、昼寝をします。
車の中のベッドで三十分だけ」
「するいよ、朔太郎」
私はそう言って、急いでお弁当を食べ始めた。
車の中の設備は高速のパーキングに停まった時にじっくり見たけれど、まだ座ったり寝転んだりはしていない。
朔太郎は呆れたように私を見ている。
「俺と一緒にベッドに寝転ぶの?」
「ダメ?」
朔太郎はまんざらでもない顔をして、お弁当を食べている私に問いかける。
「昼間っから車を揺らしてもいいのかな?」
最初、私は今一つその問いかけの意味が分からなかった。
でも、朔太郎のにやけ顔を見て、その意味をはっきりと把握した。



