溺愛フレグランス



ぺちゃくちゃ喋っている間に、あっという間に目的地に着いた。
道の駅で美味しそうなお弁当を買い、キャンピングカーの中で遅いランチを取る事にした。
オートキャンプ場は、思いのほか人が少ない。
コロナ禍だし、金曜日といっても平日だし、こんなものなのかもしれないけれど。

朔太郎は海岸に近いエリアに車を停めた。
キャンピングカーのバックドアを開けると、そのドアが屋根の代わりになる。
朔太郎はそこに出来た日陰に、椅子とテーブルをもってきた。
海が近いせいか、潮の香がする。
暑くもなく寒くもないこの季節、外で過ごすには最高に気持ちがよかった。

「じゃ、これから何しようか?」
「え? 今回のプランは朔太郎が全部決めてるんじゃないの?」

朔太郎はお弁当を食べ終え、地元名産の草団子を頬張っている。
そして、私が淹れてきたコーヒーをポットからマグカップにつぎ、幸せそうに飲み始めた。

「キャンプって目的地に着いて準備が整ったら、あとは好きに過ごすもんだと思ってる。
のんびり空を見上げるとか、読書をするとか、寝るとか」
「寝たらダメだよ」
「例えばだよ」