溺愛フレグランス



私はこういう時に自分の年齢を改めて思い知らされる。
子供を持つ事は、女性であれば誰でも憧れる事。
だけど、その前に結婚でしょと自分に喝を入れたくなる。だって、結婚しなきゃ子供は持てない。
一人でそんな事をブツブツ言っている私を、隣で朔太郎が面倒くさそうに見てる。

「智也、晴美は結婚が近いらしいぞ。
お前、知ってたか?」

智也は朔太郎の前にビールを置きながら、私に目配せをする。
私も目配せを返すと、智也はいつものジンジャーエールを私の前に置いてくれた。

「そりゃ、晴美ちゃんだって結婚はするだろうよ。
家庭的だし、いいお嫁さんになると思うよ」
「ありがとう、智也」

私と智也はまた目配せをし合って、友情を確かめ合った。
朔太郎は面白くなさそうにビールを飲んでいる。そんな朔太郎を見て、智也は肩をすくめた。

「朔は晴美ちゃんが結婚するのが嫌なんだと思うよ。
こんなに仲がいい幼なじみは、結構、男の方が面倒くさかったりするから」

朔太郎はそんな智也の話を楽しそうに聞いている。
バックミュージックに流れているハワイアンの音楽に合わせて、体を揺らしながら。