「晴美ちゃん、この方はお友達?」
そんな気まずい空気の中、友和さんの方からそう聞いてきた。
「あ、はい、そうなんです。地元の仲のいい友達です」
すると、友和さんは席を立ち、智也の手を握った。
「私は晴美さんと結婚を前提にお付き合いしている山本といいます。
どうぞよろしくお願いしますね」
智也の目に友和さんはどう映っているのだろう。
自信に満ちあふれた友和さんの笑顔に、私は何も言えなくなる。
智也は大人の対応をしてくれた。
結婚というワードには触れる事なく、笑顔で頭を下げる。
「じゃ、俺はもう行くね」
でも、私は気付いていた。友和さんを見る智也の目は冷めた疑いの目をしている。
何も事情を知らない智也の友和さんに対する第一印象は、最悪に違いなかった。
私は智也を見送ると、もう一つ友和さんに聞きたい事があったのを思い出した。
家の電話番号の件だ。
私は何も考えずにさりげなく友和さんに質問した。
「友和さん、あの、それともう一つ聞きたい事があって…
わ、私の家の電話番号はどうやって知ったんですか?
確か、マッチングアプリでのサイトでは登録する事項ではなかったと思って…
あ、ごめんなさい…
何となくそんな事思っちゃって…」
友和さんの表情が一瞬で変わる。



