「晴美の底なし沼に嵌まった俺を、どう救済してくれる?」

ソファの狭い場所から朔太郎の部屋へ移動した私達は、大きめのベッドでまどろんでいる。そんな私に、一気に睡魔が襲ってきた。

「そんなの知らない… 自分で考えて…」

昨夜もほとんど寝ていない私は、ウトウトと瞼がくっついてしまう。

「晴美、泊まって大丈夫なのか?
おばちゃん達に電話しないと」
「朔が電話して…
私、もう、動けない…」
「え~~~」

その後、朔太郎がどうやって私の両親に事情を説明したのかは知らない。
でも、目覚めた次の日の朝、私は朔太郎のベッドで朔太郎の胸の中にいた。
柔らかな朝の陽ざしは金色に輝いていて、まるで違う世界で目覚めたみたいな不思議な気分だった。
とうとう結ばれてしまった…
そう実感した後、私は朔太郎の可愛らしい顔にキスをする。
二人の未来が動き始めた。
まだ、私には片付けなきゃならない事が山ほどあるのに…