「子供の頃のちょっとケガしちゃったじゃないんだよ…
大人になったらケガなんてほとんどしない。
それもこんな大きなケガをして、よりにもよって身体の中で一番大切な目をだなんて…
俺は、あいつに同じ思いをさせてやりたい」
私は朔太郎を更に強く抱きしめた。
リビングの部屋の中は、煖房が効いてきたせいでほんのり温かい。
この空気感に変な意味で飲まれそうになる。
友和さんの事で私達は色々な話をしているけれど、でも、それは二人の距離を縮めるためのお膳立てのような気がしてきた。
「だからといって、友和さんを傷つけるのはダメだよ…
このケガは私の自業自得なんだから」
そう言いながら私の頭の中は、あの夜、車を飛び出したところから何度もリピートされる。
心の傷が更に追い打ちをかけ、あの記憶は完全にトラウマに変化していた。
こんな状態で友和さんに会えるのかな…
朔太郎はそんな私の表情を見逃すはずがない。
「どっちにしても、しばらく会うのはやめた方がいい。
晴美の心が悲鳴を上げてるからさ」



