溺愛フレグランス



「こんばんは~ ごめんなさい、遅くなって」

三人はとりあえず談笑をしていた。メンバー的にはちぐはぐで何について盛り上がっているのか見当もつかない。でも、そんな三人は、三人とも私の顔を見て絶句する。
特に朔太郎の視線は、これ以上にないくらい恐ろしい。
私は何か聞かれる前に、自分の方からこのケガについて説明を始めた。

「昨日、ちょっと転んじゃって…
持っていたバッグの角がここに当たっちゃたの。
で、瞼のところが切れちゃって、こんな感じです」

私は必死に笑顔を作る。でも、片目が隠れているせいで伝わっているのか分からない。大丈夫ですと妙な動きをしながら、私はまた笑って見せた。

「それで? 大丈夫だったの? 病院は?」

村井さんは本当に心配してくれている。村井さんは気が強くて怖いけれど、本物の優しさを持っている。

「昨日、行きました。
ちょっと縫わなきゃいけなくて、でも、傷は全然残らないって」

村井さんは立ちすくむ私を抱きしめる。
そして、優しく私の背中をさすりながら村井さんの隣の席に座らせてくれた。

「もうびっくりしちゃった。
晴美ちゃんはおっちょこちょいで有名だけど、こんなケガをするなんて初めてじゃない?」
「私、おっちょこちょいで有名ですか?」