「分かりました。今すぐそちらに向かいます」
友和さんはそう言ってスマホをダッシュボードに置くと、急いでエンジンをかける。
そして、私の背なかをそっとさすった。
「大丈夫だから。近くの病院が開いてた」
友和さんの顔は険しく歪んでいた。きっと私のこのケガを自分のせいだと責めているに違いない。そんな顔だった。
信号待ちになった時、友和さんはさりげなくシートを倒して私に目配せをする。
「寝てていいよ、着いたら起こすから」
私は友和さんとケンカをして、車を飛び出した。
その前の記憶が中々戻ってこない。
その記憶を頭の中で辿って細かい事柄をちゃんと思い出したい。でも、心がショックを受けたせいで思い出そうとすれば眠りが襲ってくる。
私はちょっとの間、眠った。
それから先の記憶は、何だか夢の中みたいだった。
病院で部分麻酔をして目の上を何針か縫った。
傷はほとんど残らないから大丈夫と言われた、みたい。
その後の治療のために近くの病院への紹介状を書いてもらい、私は友和さんの車で家へと向かった。



