「あ、そうだ!」
そう叫ぶとやつが突然起き上がって


「いいとこあるから行こ!」
と、アタシの手をとって全速力で走り出した。


二人の走るスピードがアタシの恋と一緒に加速していく。


 大通り公園を抜けて、路地に入り込み、何回も何回も曲がったところは色とりどりの小さなライトでライトアップされた教会。



「ここの教会…こっそり入れんだ。ほら、こっち」
とアタシの凍えた手を握りしめる。