オ・ランタンの花嫁

魔界には漫画やアニメで登場するような魔法使いやゾンビ、フランケンシュタインにキョンシーなどの怪物が多くいるらしい。でも、人間をお嫁さんとして連れてきているから人間の姿も珍しくないそうだ。

「お疲れ様でした〜」

「奏ちゃん、ありがと〜!また来週もよろしくね〜!」

バイトが終わり、店長さんたちに挨拶をしてから家へと向かう。もうすっかり日は暮れて夜空には星が煌めいている。寒いけど綺麗だなぁ。

マフラーをしっかり巻いて歩き出す。リオン、今日もご飯を作って待っていてくれているんだろうな。

リオンのことは好きになった。でも、これが恋愛として好きなのかはまだはっきりとわからない。ただ、リオンが「好き」と言ってくれたりスキンシップを取ってくるのは出会った頃に比べて嫌じゃなくなった。むしろ、触れられたりすることが嬉しい……。

「奏」

名前を呼ばれた刹那、グイッと腕を引っ張られる。リオンに裏路地に連れ込まれ、抱き締められていた。