オ・ランタンの花嫁

「ミス・パンプキンが魔界に行かないなら、僕をここに住まわせてくださいよ。家事はするし色々手助けしますから」

あたしは解放された後、リオンからそんなことを言われた。こんな怪しい人物と同居しろって言うの!?

「お断りしまーーー」

「断るんやったらまた猫耳生やすで?」

「……よろしくお願いします」

猫耳また生やされるのはやだ。でも、魔界に行くのはもっと嫌だし仕方ない。

「よろしくお願いしますね、奏」

リオンはそう言った後、あたしの頬に優しくキスをした。



衝撃の出会いから数ヶ月、すっかりリオンのいる生活にも慣れた。

リオンは家事を手伝ってくれるし、あたしの帰りが遅くなる時にはご飯を作って待っていてくれている。本人がカボチャの化身だからかカボチャ料理が多いけど……。

数ヶ月すると仲良くなれて、リオンから魔界のことなどを色々教えてもらった。リオン曰く、ハロウィンの前日に魔界では演説会が行われ、その演説会で優勝した人が人間界でお嫁さんを探すことができるらしい。