オ・ランタンの花嫁

「これで信じてくれました?ジャック・オ・ランタンでも魔法は使えるんやで。何たってハロウィンの主役なんやから」

リオンはまだ猫耳や尻尾に混乱するあたしを抱き締めて言う。息が耳に当たってくすぐったい。

「わ、わかった!信じるから!だからこの耳と尻尾消してよ!」

あたしはリオンから逃げようと抵抗しながら言う。しかし、リオンは「嫌」と一言言った後、あたしの猫耳にふうっと息を吹きかけた後、噛み付いてきた。体に電流のような感覚が走り、あたしの口から声が出る。

「可愛い反応……」

「や、やだっ……」

逃げられず、リオンからは抱き締められながら触られて、涙が出てきそうになる。リオンはそんなあたしを見て訊ねる。

「ミス・パンプキン、魔界に来てくれますか?」

家族や友達、学校にアルバイトもあるのに見知らぬところに行けるわけがない。あたしはすぐに首を横に振った。リオンは「そう言うと思いましたよ」と言いながら呪文を唱える。すると、あたしの猫耳や尻尾が消えていった。