オ・ランタンの花嫁

「そんなこと言われても信じられないから!そもそも、ジャック・オ・ランタンってハロウィンに飾るカボチャでしょ!何で人の形をしてるのよ!」

あたしが言うと、「なら、こうしたら信じてくれる?」とリオンは手から黄色の光を放つ。光は天井に当たった刹那、キャンディに変わってふわふわと舞い落ちてきた。

「えっ?マジック?」

降ってきたキャンディは普通にコンビニとかで売られているものと同じようにおいしい。でも、こんなのマジックでありそう……。

「まだ信じてへん?ならこれはどう?」

リオンは今度はあたしに光を当てる。すると、あたしの頭の上とお尻の辺りが温かくなってきた。えっ?何?

「可愛いなぁ〜!このまま食べちゃいたいわぁ〜」

温かさが消えた刹那、リオンが頬を赤く染め、ニコニコしながら言う。

「えっ?何が起こって……」

鏡を見たあたしは自分の目を疑った。あたしの頭の上に猫の耳が生えている。お尻には尻尾が!

「な、何これ〜!?」

触ってみるとふわふわしてるし、引っ張ると痛い。本物の猫の耳と尻尾だ……。