「ん……」
あたしが目を開けると、玄関で倒れたはずなのに何故か自分のベッドに横になっていた。えっ?さっきのことって全部夢?
「あっ、気付いた?急に気絶したからびっくりしたわ〜」
いや、夢じゃない。オレンジの派手な格好をした男がマグカップを手にニコニコしながら近づいてくる。不法侵入って言葉知ってんのかな……。
「あの、ベッドまで運んでくれてありがとうございます。でも勝手に食器とかいじらないでください。あと、もう出て行ってください」
「ええ〜、そんなこと言われてもなぁ〜」
男はあたしにマグカップを渡す。中に入っていたのはおいしそうなパンプキンスープだ。……変な薬とか入ってないよね?
「僕はミス・パンプキンを迎えに来たんよ?ミス・パンプキンは僕のお嫁さんやし」
ニコニコと男は笑っている。イケメンだろうと突然こんなことを言われると戸惑ってしまうし、怖い。
「いや、さっきからミス・パンプキンとか訳わからないこと言ってるんですか?あと、何者かわからない人と結婚とかお断りです」


