オ・ランタンの花嫁

回覧板かな、と思いながらあたしは誰が来たのかカメラで確認する。あたしのマンションは防犯がしっかりされていて、誰が来たのかわかるようになってるんだよね。

「……ん？」

カメラを見てあたしは首を傾げる。呼び鈴は確かに鳴ったはずなのに、画面には誰も映っていない。

「気のせい？暇だ暇だって言ってたから幻聴？」

あたしは首を傾げながら画面から離れる。しょうがない！イオンモールにでも出かけよう。ずっと家にいるよりマシだ、うん。暇も解消されるだろうし……。

しかし、すぐにまた呼び鈴が鳴り響く。今度こそ誰か来たのかと思って画面を見るけど、やっぱり誰もいない。

「えっ？怖ッ……」

最近、呼び鈴を何度も鳴らされるというホラー映画を見たせいかブルッと体に寒気が走る。ここ、幽霊が出るとか聞いたことないんですけど。

「家にいるからこんな幻聴が聞こえてくるんだよね！？外で遊んで気分転換しよ〜っと！」

あたしは明るく振る舞いながらかばんを手にする。そして何も考えずにドアを開けた。刹那、固まってしまう。