April.10

今日からついに高校生になった。
ここまで長かった………
中学卒業してから高校入学までの期間、つまり春休み期間に
とんでもない量の課題が出たのだ。
それを昨日までやっていたのだ。
よく頑張ったよ俺……
……とまあ色々あって、晴れて高校生になったわけだ。
高校生活……燃えてきたー!!!!!!!!!!!!
早速軽い足取りで昇降口に張り出されている
クラス表を見ようとしたが、すごい人の量で諦めた。
クラス一つ一つ見てくしかねえな。
口では簡単に言えるけどなかなかめんどくさいことだ。
10クラスもあるからもし10組だったら最悪だ。
靴も適当に置いて、長旅に出る気分で俺は自分のクラスを
見つけに行こうとしたところ、ブレザーのポケットの中から
振動を感じた 。速攻取り出して通知の主を確認したら
幼なじみの蒼弥からだった。
「お前と同じクラス!!」というメッセージと共にクラス表
の写真が添付されてきた。すぐに返信をしてブレザーの内ポケットにしまってまた歩き出した。
俺のクラスは1ー6。この校舎はロの字型。
それに加えて特別教室棟がある。音楽室や美術室などだと
思うが、パンフレットでしか見たことがないので、詳しく
は俺も分からない。そんな俺のクラスは北校舎の1階の
真ん中の方にある。うげ、目の前トイレかよ最悪。
比較的ふr …年季が入った校舎のトイレの匂いは
なんとも言えぬあの悪臭が漂っていた。
便所臭い学生生活は嫌だな、と思いながら教室のドアを開けた。幸いそんなの人はまだ来てなくてほっとした。
綺麗な黒板に貼られた席順表を見て、自分の席に腰を
下ろした。よろしくな、俺の机と椅子。大事にするぜ。
(そういえば昇降口にあんなに人がごった返していたのに
このクラスのこの人数。きっとまだ混んでるんだろうな。)
そんなことを考えていたら一気にクラスに人が流れてきた。
その中に蒼弥の姿があり、すぐに駆け寄った。
「優!!お前どこにいたんだよ!!めっちゃ探したし!!」
「ええっと、人混み嫌だから教室に先来た。
てかもう蒼弥いると思ってさ」
「かわい子ちゃん見つけるのに必死でさ…」
冗談だか本気だかわかんねえなこいつは…
「ばか冗談だよ!!本当は迷子だった…助けて欲しかったよ??
まあかわい子ちゃんはいっぱい居たけど」
「その情報くそほどいらねえ」
「相変わらず興味ねえなそのまんまじゃ一生独身だぜ??」
と蒼弥はケラケラ笑った。
別に興味無い訳では無い。普通に好きになる感情や
付き合いたいという感情が分からないだけだ。
「そういえば俺が校舎をさまよってた時にすっげえ暗い顔
した女の子いてさー大丈夫かな??靴の色が赤だったから
同級生だと思うんよねー☆」
「んー、入学式緊張してんじゃね??気になるんだったら探しに行けば。」
「えー、でもあれ特別教室棟の方だぜ、遠いしめんどくさい」
「見に行くだけ行ってくれば。もしかしたらお前の天使になるかもしれないぞ??」
俺がそう言った瞬間蒼弥の目は輝きに満ちていった。
「そうかもな…!!じゃあお前も来いよ!!」
「いやなんでだよ」
「お前の天使になるかもしれしれないだろー」
蒼弥の推しに負けてしまい 、結局俺は例の天使探しに
特別教室棟に連行されてしまった。面白い予感!!
しかし…
「あーうーん、いねえな。」
隣で蒼弥は意気消沈していた。おいおい、
これから入学式ってのになんだその顔は。
「とりあえず残念だったな。もっといい子いるって」
「…だよな!!俺イケメンだし!!」
「そこまでは言ってない。」
その後、無事教室に戻り、入学式に出席した。

同じ中学のヤツらが3人。他の中学出身にヤツらは、部活で
何人か見た事があるくらいで、顔見知りはとても少なかった
まあ、俺の地元から6駅も離れているからな。
そこまでしてこの学校に通ってくる物好きなんて
俺と蒼弥、そして同じ部活だった楓。
俺ら3人はイツメンだった。だがしかし、今回は楓だけ
クラスが別々になってしまった。楓…達者でな。
とは言っても楓は隣のクラスの7組だからいつでも会いに行ける。はずだったのだが、あいつは生憎インフルエンザにかかってしまい、入学式は欠席だった。まじ運ねえなあいつ。