その日、私はいつも通り 学校が終わると5階に駆け上がった。

それは、ドラムが上達したいという思いもあったが、
サトに会いたい という秘めた想いも胸に馳せていた。

サトに出会って約一ヶ月。

実際に同じ学校でこれまですごしてきた仲間だったけど
接したり、ましてや話をするなんて関係には一度もならなかった。


だけど リョウが結成したバンドのおかげで、今こうして
普通にサトと喋ったりすることが出来る。

サトのことは、初めて一緒に帰った日から
少し 気になっていた。
それが、いつも一緒にいるなかで その想いもだんだん強くなっていき、
次第に、「好き」という感情が芽生えていた。


この環境を作ってくれたリョウには本当に感謝している。