パシ!

いくら注意されて腹が立ったからって逆恨みして痛めつけようなんて考えは間違っている。

「なんだお前?」

大体、お前らが校則を守らないからみーちゃんに注意されるんだ。まあ、俺も人の事言えないけどね。

髪を金髪に染めて、ピアスの穴を三個も開けて。それでみーちゃんにいつも怒られている。

だけど少しも腹は立たない。怒られて当然なんだ。でも俺はこの姿じゃないといけないんだ。

「まさかあなたに助けられるなんてね。改めてお礼を言うわ。ありがとう。北川君」

別にお礼なんていいよ。俺は、みーちゃんを助けたくてやったんだから。