帰り道の方を振り向いてからは全力疾走。もう、訳分からなかった。北川くんの顔を見ると胸がドキドキして苦しい。顔が熱くなって正気を保つことが出来ない。

これって。これってもしかして...恋?なのかしら。ダメだわ。胸が苦しい。久しぶりに思い出したわ。初恋をした時のことを。こんな感じだったわね。でもこれは幻にすぎないわ。ダメよ。私が恋をするなんて柄じゃないわ。恋をしたっていいことなんて絶対にない。

私は桜鬼なんだから...。