「んと、蘭…ちゃん?だっけ。えっとさ、お母さんとの連絡は…とれる?」



川島さんは私のスマホと作ったオムライスをもって来た。
充電はいつの間にか完了されている。
得意の早食いを決めたところで、やっと言葉を解した。



「一応出来ます。…ですが、親からの連絡が一切来てなくて…なんでかはわからないんですけど…」



愛されてないのか、それか心配してないのかのどちらかです、なんて言えない。
本音を言うのは苦手。
だから私は親と喧嘩した。
あの時、リモコンを譲っていたら、あの時、チャンネル権で揉めなければ。
川島さんにも迷惑かからなかったはずなのに。
少しだけ川島さんの家から出たくなってしまった。申し訳ないけれど…



「そっか…じゃ、仕方ないね。」



「ぇっ…?」



川島さんからは以外な言葉が出た。



「俺も、昔家で親と喧嘩したんだ。で、蘭ちゃんみたいに家を出て、俺みたいな人に救われたんだ。その人は、病気で死んでしまったけれど、その人に貰ったこの家を使って君を助けられて、本当によかった。」