私が天然?
真央の事を言えない?
何を馬鹿な事を言っているのよ。

それにしても木彫りのヤマネコ。やっぱり昴はお気に召さなかったのかしら。
芸能の神様が宿っているから、仕事を頑張っている昴にはぴったりだと思ったんだけど。

「ヤマネコより犬の方が好きだった?
昴犬顔だし」

上を向き、ジッと昴を見上げると珍しい反応を見せた。
ぴたりと動きは止まって、無表情のまま押し黙りこちらを見下ろす。
滑らかな肌、ぽたりと首筋に水の雫が落ちる。

「ううん猫も、――好きだよ。」 ’好き’という言葉に思わず反応してしまう。私を好きだと言った訳じゃないのに。
ヤマネコをテーブルの上に置いたかと思えば、そのまま覆いかぶさるように身を沈め、唇にキスを落とした。

「ん…ふぅ…」

息が止まってしまいそうな程、深いキス。
昴の唇が私の口内を完璧に支配して、思わず頭が真っ白になってしまう。

そういえば――意識がある時にキスをするのも初めてだった。
深く侵入してくる舌を拒もうとするが、その力に抗えない。