私は梨々花が嫌いだ。グループに居る時からずっと目障りだった。
だけど……。
「そう言えば、ウェディングコレクションは梨々花もすっごく楽しみにしてるみたいね。」
そりゃー大好きな昴と会える機会が増えるものね、当然よ。
「そうなの…。」
「梨々花、すっごく岬の事好きじゃない。
卒業しても岬と一緒に仕事が出来るのが嬉しいんだって。
あの子不器用だから、敵ばかり作っちゃう所あるものね。 岬だけは優しくしてくれた。ってよく言ってるもの」
笹田さんの言葉にずきりと胸が痛む。
グループに入って来た時、梨々花は若干浮いていた。 アイドルを志す女の子達は形は違えど、気の強い子達ばかり。自分が1番可愛いと思えなければ、やっていけない世界だから
その中でも梨々花は初めから異質なオーラを放っていた。
大人しくて、人の陰に隠れがち。 人見知りも激しくて、同世代の女の子達の輪に中々入って行けないタイプだった。
一見目立たないように見えるけれど、何故か気になってしまう存在。



