あーだーこーだ考えるのはもうよそう。
だって私、昴の事が…多分好き?だし。

あの夜の事は覚えていない。 だからもう一度位抱かれてやったっていい。遊びだったとしても。

そうしたら案外冷静になれるかもしれない。 すっげー下手くそだったり、あんな体格しておいてめちゃくちゃ小さいかもしれないし

それで昴に幻滅して、この恋心が勘違いだったらそれはそれで良い。

それにきちんと意識がある状態で、昴に抱かれたかった。

ちょっとだけ素直になろう。

「あのね、昴…。」

「ん?どした?」

「あの、あのね、ハワイのお土産…実は昴の分もあるの…
喜んでくれるか分からないけれど…」

「えぇー?!そうなの?早く言ってよ!
めちゃくちゃ嬉しいじゃん。どうして言ってくれないのさぁー」

「何となく!」

「はは、何となくって何だよ。 じゃあそれ早く貰わなくっちゃ。
お互いスケジュール合わせて、俺んちおいでね」

顔は見えないけれど、昴は優しい顔をして笑っていると思う。容易に想像は着いた。

大きな目を細めて、顔をくしゃくしゃにして笑う、昴の笑顔が見えた。目の前にはないけれど、確かに見えたんだ。

この気持ちの正体を確かめたい。ドキドキしたりきゅんきゅんしたり、ズキズキ痛かったり
相手の事ばかり考えてしまうこの気持ち。 もう一度抱かれれば分かるかな? 友達の先に見える景色を、私は見て見たい。