【完】イミテーション・シンデレラ


そして所属するタレントは女性ばかりだ。
それは社長がこの業界では珍しく女性というのもひとつの理由かもしれない。

有名な女優から、人気なアイドルまで。 キャンディドロップの女社長 末沢さんはタレントを大切にするが、恋愛においてはとても厳しい人だ。

でもそのお陰もあって変な虫は引き寄せないし、枕営業なんつー黒い噂もない。

某事務所は、事務所自らタレントに枕営業を持ちかけたりするから、そういった意味では幸運すぎると思う。

「それでね、岬。 取り合えずSARARA卒業記念に写真集を出すって話があったでしょう?」

「あー…ハワイで撮影するんだっけ?水着嫌だなぁ…」

グループに所属している頃から水着仕事は多かった。

私のようなロリ顔巨乳は需要があるらしい。 ファンにおかずにされてると思うと鳥肌が立つけれど、仕事だと割り切ってきた。

男の人が私達アイドルをそういう目で見るのは仕方がない事でもある。

「あんまり文句言わないでよ。岬はとっても恵まれてるんだからッ。
大きなグループを卒業して、ここまで仕事が舞い込んでくるのも珍しい話なんだからね」

「は~い」

気のない返事をすると、笹田さんはキッとこちらを睨みながら話を続けた。