「共演の女優さんすっごく綺麗な人だよね…。少しだけ、悔しい…。」
主演とまではいかないが、私も演技の経験はある。
その中で自分には昴や真央の様な演技の才能はないと重々承知している。
だからあーだこーだ言うつもりはないが、やっぱり彼氏が演技とは言え女の子といちゃいちゃしてる姿を見ると悔しくなってしまう。
「岬ヤキモチ妬いてるの?可愛い…」
「もぉー!茶化さないでよ! 私結構やきもち妬きなんだからッ…。
キスシーンとかあるよね…うわぁー…見たいけど見たくないよーな…」
頭を抱えて悩んでいると、昴は可笑しそうに笑う。 …全く余裕なんだから。
少しだけ唇を尖らせて、拗ねる素振りを見せる。
「…昴は、やきもち妬かないもんね…」
意地悪な質問だ。 何だか自分が構ってちゃんになってしまったようでいたたまれない。
「妬くじゃん?
この間だって類くんや真央の事で妬いてたじゃん。
確かに俺ってあんまり人に関心がないタイプかなーって昔から思ってたけど、岬が類くんと仲良くしてるの、すっげぇムカついた。
それに類くん、挑発的な態度俺に取ってたから、マジで殴ってやろうかなとさえ思ってたよ」



