私なんて恋愛経験そこまでない方だから余計……。

素敵なレストランと美味しい料理。 綺麗な夜景もイルミネーションも
全部が特別な想い出になる。 昴にとっても、特別な想い出になるのかな?
ジッと見上げていると、昴はナイフで器用にチキンを切ってこちらへ向けた。

「え?」

「や、ジーっと見てるから食べたいのかな?って思って」

「何をッ、人を食い意地のはってる女みたいにッ!」

「でもこれ美味しいよ。はい、あーん」

’あーん’って彼氏彼女みたい(彼氏彼女なんだけど)
口の中に放り込まれた若鳥のグリルは想像以上に美味しくて、思わずほっぺたを押さえる。

「何コレ、うま!超柔らか!」

「あはは~…幸せそうな顔~。 俺も岬の方食いたいな」

「牛肉のステーキも美味しいよッ。このソースが甘くて最高ッ。 はい!」