指摘されて、顔が真っ赤になってしまう。 確かに今日は嬉しすぎてテンションが上がっている。

こんなの、ちょっとウザいよね?

「ご、ごめん…」

「?何で謝るの。岬が嬉しそうで俺も嬉しいよ。
こんな可愛い岬が見れるなら、連れてきて本当に良かった。
じゃあ、予約してたレストラン行こうッか。
個室っつーのが申し訳ないんだけど…」

普通のデートをしてくれようとしてるんだ。 そんな昴の優しさが甘酸っぱい。

普通だったら個室、嬉しいもんだよ。 だけど芸能人同士の恋愛は、普通の事ばかり出来なくなっていく。

悪い事しているわけじゃないのに、コソコソしないといけないのは少し悲しいけれど。


昴が案内してくれたレストランからは、横浜の夜景とイルミネーション。 そして広がる海までばっちりと見える場所だった。

…やっぱり昴って手慣れている。女の子がどんな事をしたら嬉しいかって本能的に分かってるんだろうな…。

そんな事を考えながら夜景を見ていたら、不思議と胸がモヤモヤしてくる。

昴の元カノは数人知っている。 その中には日本を代表するような若手有名女優もいる。 過去にモヤモヤしても仕方がないのは分かってるけど、こうやって女性慣れをしてる所を見る度にやきもきしちゃうんだろうなあ。