「本当は全部知ってました。
だって大滝さんはっきりと私に彼女居るって言ってくれたんですもん。
もしかして、岬さんですか?って言ったら、見たことのない顔で笑うんですもん。
でも岬さんは私には何も言ってくれないから、ちょっと拗ねちゃいました。」

ぺろりと舌を出して悪戯な笑みを作る。

「岬さんは優しいから…私に気を遣って言い出せなかったんですよね…」

それは、違う。
だって昨日まで自分が昴の彼女だったなんて、夢にも思ってなかったんだもの。

「岬さんはいつもそうですよね。 すっごく優しかった。
私なんかがSARARAに入っちゃって、アイドル全然向いてないのにいっつも励ましてくれて
私がアイドルをやって来れたのは、岬さんがいたからです。きっと岬さんがいなかったら、すぐにへこたれてました。」

「私はそんな…」