「止めてよッ。全部覚えてないんだってば…!
今までセックスしたってこんなに気持ちよくなった事ないし!
寧ろ昴みたいに経験そんなにないんだからッ……」

「へぇー…。つーか今まで岬を抱いて来た奴全員ぶっ殺したい。
まずは手始めに真央から」

笑顔のまま物騒な事を言う。 昴が言うと、冗談に聞こえないから怖いんだけど。

でも今までのあらましを聞いて、想像以上に昴が嫉妬深い事に気が付いた。 いつもにこにこしているけれど、あれがやきもちを妬いていた合図だったなんて。

「それなら、真央は大丈夫。殺されなくって済むわね」

「そうなの…?」

真央と付き合っていたのはまだアイドルを始めたばかりの頃。 そういう関係になりそうになった事もあったけれど、初めてで怖かったし、結局最後まで出来なかった。

それにあの付き合いは子供過ぎて、恋人というよりかは仲の良い友人だった感じだし。