段々と昴の顔が青ざめていく。 きっと予想通りだろう。
そんな告白の事なんか覚えていない。 ふたりの間にあったやりとりさえ。
酔っぱらって初めてセックスをした日の夜の事だろう。 あの日の記憶は、私の中には一切ない。 全てを察した昴は、はぁーっと長いため息を漏らした。
冷たい視線が突き刺さる。 何て言ったらいいかもう…。 勝手に告白しておいて、全部忘れてしまっていたなんて。
「忘れていたんなら、あの日の話は全部なしだ。
俺と岬は友達のまんま。」
「そんなの、いや…!」
慌てて顔を上げて言うと
二ッととびっきり甘い笑みを浮かべて唇を掴む。
あんた絶対腹黒いでしょう? こっちの反応を見て喜んでいる。 そんなの、顔を見ていれば一目瞭然だ。
「そんなの俺だって嫌だ。」
唇を挟むような甘いキスを何度も唇に落とす。
この恋はスポットライトより眩い。 キラキラとした光の粒子が目の前を通り過ぎていく。 それが昴から出ているものだと気づいて、この幸せを噛みしめる。
目を瞑っていても、開けていてもいつだって瞬いている。 唇を離した昴が、いつもと同じ優しい顔で私に笑いかける。 照らしてくれる光は、いつだって隣にあったその笑顔だ。



