12月の東京の街はクリスマス前日という事もあって、賑わいを見せていた。
クリスマスツリー、イルミネーションが点灯されて街を美しく彩って行く。 そんな人混みの中でも、昴は私の手を離さなかった。
少しだけ冷静になって、パッと昴の手を離すとくるりとこちらを振り返った昴は不服そうな表情を浮かべる。
「ちょっと、抜け出すって…!」
「そのまんまだけど?」
「荷物も置いてきちゃってるし」
「笹田さんには了承済みなんだけど?」
いつの間によ。つーか笹田さんもマネージャーでしょ?タレントの管理はきっちりして!
私はただでさえこの間類くんとのスキャンダルを撮られたばかりなのだ。 それが次は昴となんて事になれば、それこそ何を言われるか分かったもんじゃない!
「了承済みでも何でも、こんな人混みで…!
またマスコミに狙われたらどうすんの?!この間スキャンダル起こしたばっかりだっつのに」
その言葉に昴は更にムッとした表情をこちらへ向けて、イルミネーションの下私の唇に自分の唇を重ねた。
バッと体を突き飛ばすと、更に不服そうな顔をするのだ。



