【完】イミテーション・シンデレラ


何故か子供扱い。全てを見透かしたような類くんの言葉にムッとなる。

けど、上を見上げて確かになあとも思う。 お酒の席で出た言葉なんて本気にされないだろうし。 このままだったらお酒の力を借りていつか昴に告りかねない。

そんなのは嫌だ。きちんと素面の状態で目を見て伝えたい。
スポットライトに照らされて、小さな光がぱちぱちと目の前を通り過ぎていく。

ただの埃って説。 だけど、それを見上げて素直に綺麗だなあって思えるんだ。 私の立っているステージって、世界って素敵だなあって。


そんな素敵な気持ちを教えてくれるのはいつだって昴だから、類くんの言う通りほんの少し素直になりたい。


―――――


何故か打ち上げ会場で真央が珍しく陽気に酔っぱらっている。 色々あったウェディングショーだったけれど、確かに真央と西園寺さんの圧倒的ビジュアルで会場は大盛り上がり。

本番前は震えて、今にも死にそうだった癖に。まあ…それが真央の良い所でもあるんだろーけど。 それに、昔はそういう所が大好きだった。