「岬ちゃん酔っぱらって、大滝さんの事力説してたよ。
昴はすっごく努力家なの!って。努力出来るってすごい事で、努力の才能がある人なんだって。
演技にも真剣に向き合ってて、ちゃらく見えるかもしれないけど、恋にも一途ですっごくいいやつなんだって
そうあの日言ってたよ。」
類くんの突然の告白に、固まってしまう。
私はあの日、そんな恥ずかしい事を類くんに言っていたの?
顔から火が出そうな程、恥ずかしい。何を偉そうに、昴の事を知った振りして語っていたというのだろう。
やっぱりお酒は止めよう。再び胸に誓った時だった。
「すごく苦労したんだって。でも嫌な顔ひとつ見せずにどんな仕事もこなして、素晴らしい人だって言ってた。」
「そ、それはあの…酔っぱらってたからね?自分でも何でそんな昴の事力説してたのか分かんないけど…」
あたふたしながらも言い訳を言うが、しどろもどろになってしまい上手く伝えられない。 あの日は水難の相が出ていた。
だから余計な事ばかり類くんに言ってしまったのだろう。
勿論昴を尊敬しているのは嘘ではない。だって私は、真央の傍らずっと芸能活動を頑張って来た昴を知っている。



