だからって…私や昴はあんたの暇つぶし要員ではないわけよ。西園寺さんとでも行ったら良い。そして仕事の指導でもびっちりしてもらったらいいのに。

この男は一度くらいバチが当たった方がいい。

「私疲れてるから、パスね。 あ、ラインだ。」

携帯を手に取ると、そこには頭の痛くなる案件がもうひとつ。
さっき連絡先を交換した類くんからで、一緒に撮った写メが添えつけられていた。

『今度一緒に飯でも行こう!
岬ちゃん何好き?』

ちゃ、ちゃっらー!!! さっき連絡先を交換したばかりだと言うのに、何故かご飯に誘われている。 これは面倒な事になりそうだ。

頭が痛い。
恋愛のあれこれ、今は何も考えたくない。

けれども疲れ知らずの騒がしい男は、後ろから私の携帯を不躾にも覗き込む。 そして「おお!」と声を上げた。

「何だよお前、一条類と仲良くやってんじゃねぇか」

「見ないでよ!変態!」

「へ、変態って…この俺がか…」

「プライバシーの侵害よッ。そういう無神経な所、マジでムカつくんだけど!
別に仲良くないわよ!連絡先交換する事になって、これには深い意味はないんだから!
大体何なのよッ。あんたがいちいち余計な事をするせいで!!」

「…何をそんなに怒ってるんだよ…」