「やべ…」
その様子を下から伺う様に、真央は変な顔をしながら私と類くんを交互に見やる。
「岬ちゃん、めっちゃ可愛い…」
「へ!?」
真っ赤になっていく顔を隠すように、片手で自分の顔を覆う。
そんな反応されたら、こっちの方が照れくさい。 何故か互いに見つめ合い、顔を赤くさせる。
「すっごいドレス似合う…。
どうして岬ちゃんってそんなに可愛いんだろう。
あーこっちが照れちゃうよ。 こんな可愛い岬ちゃんと一緒に歩くなんて、心臓爆発しちゃうかも…。」
「そ、そんな事ないでしょう。 こんなガキっぽいドレス。
西園寺さんや梨々花の方がずっと綺麗じゃない…!
そんな風に言われると、こっちが照れる…。」
余りにも真っ直ぐな言葉に、類くんの余裕のない表情にこちらが困ってしまう。
そんな私達の様子を見て、余計な事を言ったのは真央だった。
「何だよ、一条類。お前岬が好きなんか?」
ほんっとうにこいつって無神経でデリカシーのない男。 …何で私こいつの事好きだったんだっけ。もう思いだせないわ。
元カレとしても恥ずかしいわよ。 お喋りな口を針と糸で縫い付けてしまいたい。
けれど真央のストレートな言葉に一切悪びれることなく類くんは言った。



