「おい!」
「あ、姫岡さんも久しぶりです! お元気でしたか~?」
「ふんっ。普通。 つーか俺より先に岬に声掛けるとか マジでムカつく。」
「す、すいませんッ!
あ、姫岡さんポスター見ましたよ?相変わらずかっこいいっすねぇ~!」
褒められて満更ではないのか、フンッと鼻を鳴らして「まあな」と得意な顔。
なんつー単純な男だ。 すっかり気を良くした真央は、鼻歌を歌いながら昴の元へと行った。
鼻歌は、LUNAの曲で真央たちの前に主演したドラマの挿入歌になっていた曲だ。
たくッ、現金な男だ。 そんな真央の後ろ姿を見つめ、一条さんはくすりと小さく笑う。
「相変わらず可愛い人ですね、姫岡さん」
年齢は、私達よりちょっぴり年下の22歳。
黒目がちの大きな瞳で、きゅっと小さな顔。目だけは程よく大きいけれど、全体的にきゅっとコンパクトなパーツがつまっている、イケメンだ。
サラサラの黒髪が、揺れる。
明らかに犬顔の優しい表情。 やっぱり雰囲気は昴に少し似ている。こんなに間近で見たのは初めてだが。



