「クッソ女が!」
「まあ、落ち着きなよ。 この仕事が終わればもう絡む事もないじゃん。」
「あいつ、だから俳優って嫌なのよとか言うんだぜ?!
てめーだって歌手だろーがよッ。
少し位モデルの仕事もやってるからって、調子に乗ってんじゃねぇよ!このブスが!!!!」
「西園寺愛歌をブスって言えるの…あんたくらいだろーけどね」
「絶対静綺の方が何百倍も可愛い!」
自分の彼女を何百倍も可愛いと言える真央は、やっぱりすごいと思う。そしてそんな真央に想われる静綺は幸せ者だと思う。
興奮は抑えられない様で、私の耳元でぎゃーぎゃーと西園寺愛歌の愚痴を言い続ける。
視線の先、スタジオに入って来た昴が笑っていた。 真っ白のタキシードは、スタイルが良く高身長の昴にとてもよく似合っていた。思わずみとれてしまった。
けどその昴と、西園寺愛歌が顔を合わせて笑っている。 西園寺愛歌は、真央と昴のドラマの主題歌を担当した事があった。 その繋がりで元々顔見知りらしいが、真央とは物凄く仲が悪い。
けれども、昴は人との距離感を保つのがとても上手い。



