と、いうか…私大分前から昴の事好きだったような気もするのよね。 冗談で静綺に昴とお似合いって言われて、これまた冗談で昴に俺と付き合ってみる?なんて言われて

いちいち動揺するのは、昴の事を好きだったからなのよ。

「んぅー…みさきー…」

「は、はいはい!」

呼ばれて慌ててベッドに向かうと、まだまだ寝ぼけ眼の昴は広げていた片方の手を探る様にしていた。

ちょこんとそこに座ると、「捕まえた」とぱちりと大きな瞳を開けた。

「な…!起きていて!」

悪戯っぽく笑うと、ぎゅっと私のお腹を抱きしめる。
体は大きいくせして、小さな子供の様だ。

昴はこうやって人に甘えるのか。 また見た事のない新しい顔を発見して、きゅんきゅんときめいてしまう。

「ん~…岬、良い匂い~」

「いやいや、あんたのバスルーム使ったんだから、あんたと一緒の匂いでしょう?」

「んーんー…これは岬の匂いなの。すっごく甘くって、小さい時に食べた飴玉の匂いがする。
この匂い、俺すっごく好き。」

くんくんと鼻を近づけて私の匂いを嗅ぐ姿、ちょっと順応な犬みたいよ?
昨日の夜はあんなに意地悪して、私を何度も感じさせたくせに。