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ぶるりと身震いがして目を覚ますと、既にカーテンの隙間から日差しが差し込んでいた。
あの日と同じだ。 ただひとつあの日と違う事がある。

昨日の私は最後まで意識があった。 途中何度も快楽に意識を手放しそうにはなったものだが…。

そして隣には腕枕をしている、昴の可愛い寝顔。 昨夜見せた妖艶で少し意地悪な昴は、本当に昴だったのかしら?

腕枕からゆっくりと立ち上がり、そっとカーテンの外を覗く。
何か寒いと思ったら、窓が僅かに開いている。

「そういえばこの間も開いてた。 やってる最中は暑くて全然気が付かなかったけど…。」

昨夜の事を思い返せば、顔から火で出る程恥ずかしくなる。

あんな風に体の隅々まで触れられた事はなかった。丁寧すぎる愛撫の中で、私は何度も何度も絶頂を迎えた。

…今まで付き合った人にも、こんな抱かれ方した事がない。

ちらりとベッドに身を埋める昴を見つめる。 …こいつ、相当遊んでるんじゃあ…。そうじゃなきゃあんなに上手な訳ない!

これじゃあ、幻滅するどころか、こっちがハマりそうだ。すっごく下手くそだったら良かったのに。びっくりする程ちっちゃかったら良かったのに。

けれどその全てが彼に当て嵌まっていたとしても、結局は昴の事を好きになっていた気がする。