「子供扱いなんてしてないよ。子供扱いしてたら、こんな事しない」

きちんと意識のある時にもう一度抱かれて、昴に幻滅したい。
そう思ってたのに――。

その夜、昴は私を一晩中抱いた。

激しかったり、優しかったり、けれど昴の指や舌先に体は素直に反応するから、駄目だと分かっていながらももっと欲しいと思ってしまう。

私を抱きしめながら、耳元で何度も優しく囁いた。

「岬、可愛い。」
「気持ち良い?ちゃんと言わないと止めてあげないからね?」
「まぁ、素直になっても、止めてあげないんだけどね」
「そんな可愛い声ばっか出しちゃって、俺を煽ってるの?」
「今日は一晩中寝かさないからね」

言葉尻は優しいのに、言ってる事はすっごく意地悪。
昴の事がますます分からなくなる。 優しかったり、意地悪だったり

けれど分かった事があるの。 私やっぱり昴が好き。 意識のある時に抱かれて、幻滅するどころかますます好きになってしまった。

昴――好き。 いつの間にあんたは私の心の中をこんなに占めるようになっちゃったの?