【新説】犬鳴村

「んなわけなかやん!絶対、こいつ警察に行くに決まっとるやん。」
「エリさん、そがんことなかですよ。絶対に言わんと思いますけん。」
「流石にこれ以上はヤバいっすよ、エリさん。」


 エリは真っ赤なバッグからタバコを取り出すと洋二がすかさず火を点ける。


「そがなわけなかろお!」
一口大きく吐き出すと大声で洋二を叱りつけた。


「すぐ足がついてアンタらみんなパクられるとよ!そいでんよかとね!うちも同罪になってムショ行きたいね。」


「孝夫よかと、アンタそれでん。」
「絶対、絶対、誰にも言わんけん!帰してよ!孝夫ちゃん!お願いします!お願いします!お願いします!」

「無理…殺るしかなかって。うったち皆んな顔見られとうし。」
エリが冷たく言い放ち下へ降りようとした時だった。孝夫が賢治の縄を解き始めた。