【新説】犬鳴村

 道路に転がるように飛び降りた賢治の前に急ブレーキを踏んで停まった軽トラがあった。()ぐに起き上がり軽トラのフロントガラスを叩く賢治。

「すいません!乗せて下さい!」

 しかし傷だらけの身体に、顔は腫れ上がった賢治の異様な姿に驚いた男は賢治に罵声(ばせい)()びせ走り去る。


「あっぶなかなあ!何しよっとか!」


そこに育夫達が追いつき賢治の方へ駆け寄る。それを見て脚を引きずりながらも、それでも懸命に逃げ、生きようとする賢治。


「もう帰してよ!」
「俺たちが殺されても良いんかよ!」
「お前が帰れるようにすっからさっきんとこ戻ろ、な!」

「でも…」
「約束は守る。」
「な、俺たち助けてくれよ、な、いいだろ?」