「……あ、」
ふと時計を見ると、そろそろアタシが家に帰らないといけない時間になっていた。まあまあ楽しかった。一応。……だから、もう少し一緒に居たかった、かも。絶対に言ってやらないけど。
帰ろうとしたその時、
「ねぇまき。この日、予定ある?」
天澄は手帳を取り出し、とある日付をペンで指した。……コイツ、スケジュール管理とかしてたんだ。ま、一時期二股とか色々してたから、予定が被らないように自然と(というか必然的に)できるようになっていたんだろうけれど。
指したその日は、……近くで行われる、大きめの夏祭りの日。その日はいつも、アタシの弟や妹達、幼なじみや友達と一緒に行くように予定を入れている日だった。
……そして、今年もすでにその予定を入れていた。
「その日は……用事があるから無理」
何故だか首をもたげた罪悪感に、アタシは思わず目を逸らした。というか、アンタは気付いてなかったかもしれないけれど、毎年、その日周辺に付き合っていた相手と一緒に行ってるのを見てるから、今年もそうするのかと思ってた。
「……そっか」
断ると、天澄は残念そうに笑って、以外とあっさり引き下がった。
毎年、誰かしらと予定入れているから誘わないだろうって思っていたけれど……もしかして、予定をわざわざアタシの為に空けてたとか、……そういうのなんだろうか。
「……アンタも、予定とかあるでしょ」
そうであってほしいと思いながら言うと、天澄は一瞬、驚いたように目を見開いた。
「ボクは、「また、新学期でね。じゃ」
何かを言いかけていたけれど、その言葉を聞きたくなくて遮ってしまう。そして、なんだか逃げ出したくなって、急いでその場を離れてしまった。
「…………」
どうしよう。
さっきまでの楽しかった気持ちが嘘みたいに消えていく。
「……」
アタシは、思い込みで大変な事をしてしまったのかもしれない。


