アタシがアンタを好きになるなんて絶対にあり得ない


「ごめん、一緒に帰れなくなっちゃった」

メッセージに、そう残されていた。ま、予想はしてたけど。

昼食を食べたあと、天澄は1年生の女子に呼び出されてた。あれは、間違いなく告白。天澄は躊躇することなくその告白を受けるだろうし、なんならデートしに行くんだろうと思ってた。

「はぁ……」

良くわからないけど、ため息が出る。楽しみにしてたとか、そんなのない。また面倒ごとが増えそう、そう思って憂鬱になっただけ。

アイツが告白受けてデートして、そのあとフるかフラれるかすると、そのあと必ずと言って良いほどアタシにとばっちりがくる。

告白した子自身とか、その周辺のオトモダチとか、その辺のやつらから睨まれたり、持ち物に()()()()されたり。

しばらくすると止むから気にはしてない。ってかアイツがアタシに付きまとってるだけでアタシ全然カンケーないだろ。

それはともかく、アイツを待つ必要もなくなったし、さっさと帰ることにした。今日は夕飯の買い物しなきゃだし。……荷物持ちさせようかと思ってたんだけど、まあいいか。

買い物を済ませてスーパーから出ると、変な場面に出くわしてしまったみたいだった。アイツが、天澄が、女子とデートしてる。アイツはいつもにこにこしてるから良く分かんないけれど、女子は楽しそうだ。

少し遠いから多分向こうはアタシに気付いていないだろうと考え、その場から離れる。なんだか、胸の辺りがもやもやして、心臓が痛い。ただ、好きじゃないアイツに急に出会って気分が悪くなっただけ。変な場面に出くわしてびっくりしただけだから。

嫉妬したとか、悲しいとか、そんなのじゃないから。

あれから、その女の子とデートを何度か繰り返しているらしく、()()一人で帰る日々が続く。今日、別の人に呼び出されていたから、しばらくしたらフラれるであろうことに予想がついた。

良くもまぁ、あっちこっちにふらふら行けるものだと感心しながら、アタシは一人の帰り道を歩く。