アタシがアンタを好きになるなんて絶対にあり得ない

そして、そんな日々が続き、天澄はクリスマスイヴに、アタシに告白した。

「ボク、やっぱりキミのことが好きみたいだ」

って。「キミさえ良かったら、付き合って?」と、困ったように笑う。これは、ホントの告白、みたいだ。なんとなくだけど、そう思った。でも、

「キョーミない」

そう、入学式の時と同じように断った。……でも少し、嘘だ。アタシは、少しだけアイツのことが、天澄のことが、気になり始めていた。

「強いて言うなら……アタシは、あまり喋んないやつとか、身長が高すぎない方が、好きだし」

あえて天澄とは逆のタイプを挙げてみる。諦めてくれないかな。このままだと、お互いにあんまり良くないことにしかならない気がする。

「……こんなにロマンチックにしたのに?」

少し惚けた後、天澄はそう抜かしやがった。逃げられないような状況にして、囲い込もうとしてたのか。……こういう強引な手を使うようなやつには見えなかったんだけれど。

「その時点でアウトだろうよ」

その言葉に冷たく返す。予想外すぎて本音が出た、って感じか。呆然としたその様子に、心底ざまぁないね、と思った。

けれど、少し、心がちくりと痛む。こんなことをしてまで、アタシを落としてみたかったんだろうか。なんて。アタシはアンタの玩具(おもちゃ)なんかじゃない。だから、アンタの思うようにはならない。

「落として遊びたいんなら、他のやつを狙いな。アタシは、アンタのこと好きにはならないから」

そう答えて、天澄から顔を逸らした。ここまで言えば、さすがに諦めてくれるだろうと思っていたけれど。なぜか嫌な予感がした。更に面倒なことになりそうな、そんな予感が。

告白してきたのをフったから、この生活も終わるかな。

……と、考えていた時期もあった。入学式の時はあっさりと手を引いてたし。別に、寂しいとか思ってなんかない。目立たなくなるから清々した。

でも、結果は

「ねぇ、まき。一緒に帰ろっか」

「おはよう。キミに一番に会えて嬉しいよ」

と、今まで以上に、しつこく、言い寄ってくるようになったのだった。今までは態度だけだったのに、「好きだ」とか、「可愛いね」とか、色々言うようになった。『進化した』というよりは、『悪化した』。そんな状態だ。

なぜだ。

なんだか変なものに火を点けてしまったらしい。

そして、そのまま今に至る。

二回もフったのに更にアプローチしてくるこの男のメンタルの強度がヤバい。殺しても執念で生き返ってきそうな気がする。

……とにかく、これが、天澄がアタシに毎日のように告白してくるきっかけというか、原因みたいな、そんな感じ。